本記事では、FUJIFILM X-S10に搭載されている12種類のフィルムシミュレーションを紹介します。
数ヶ月かけて様々な場所で撮り歩いた作例です。
それぞれのフィルムシミュレーションがどんなシーンにマッチするか、眺めながら想像してもらえたら嬉しいです。
フィルムシミュレーションとは?
FUJIFILM公式サイトには以下のように定義されています。
フィルムシミュレーションとは、撮影意図に合わせてフィルムを取り替えるように、発色やコントラストを変化させることができる機能です。
FUJIFILM デジタルカメラ Q&A回答より引用
▲こちらはFUJIFILM公式サイトの解説です。
それぞれの撮影場所・対象に応じて、自分が求める発色等を撮影時に確認しながら決めることができる機能です。
lightroom等でのレタッチとは違い、写真を撮影時に完成させるイメージですね。
どのシミュレーションも、いわゆる「写真品質」を逸脱しないように調整されているので、WEB上でよく見かける、極端に彩度を高めたような写真とは異なります。
プリントして並べたとしても大きな違和感を感じない、そんな自然に近い雰囲気を崩さない仕上がりとなっています。
使用カメラ FUJIFILM X-S10
▲すべての写真をこのカメラで撮影しました。
2020年11月19日に発売された小型カメラ。
小さなレンズと組み合わせれば、最高のスナップシューターとなります。
▲標準ズームレンズ XF18-55mmF2.8-4 R OIS
小型軽量のX-S10ボディとマッチしていてオススメ。
▲ピークデザインの伸縮脱着可能ストラップ。
小型カメラと相性が良く使いやすい。
作例記事 全12種
PROVIA / スタンダード
プロ用のリバーサルフィルムのスタンダードタイプ「フジクローム・プロビア」がベースとなっている。
多くの人にとって心地よい色味を再現しており、風景から人物までオールマイティー。
画質完全読本では「記憶色」という言葉で紹介されている。
色々なフィルムシミュレーションを使用して結局ここに戻ってくる、そんな基本的かつ心地よい色合いが魅力。
Velvia / ビビッド
ネイチャーフォトで標準的に使用されるリバーサルフィルム「フジクローム・ベルビア」を基とし、鮮やかでメリハリのあるカラーが再現されている。
「カラークロームエフェクト」を使用することで、色飽和を防ぎつつディティールをしっかりと再現することができる。
ASTIA / ソフト
リバーサルフィルム「フジクローム・アスティア」をベースとしているが、より鮮やかな仕上げとなっている。
「Velviaに比べれば(ソフト)である」、FUJIFILMの画質完全読本にはそんな表現で紹介されている。
ソフトという名が付いているが、コントラスト・彩度が低いという意味ではない。
肌色再現性と鮮やかさを両立させており、ポートレートで使用すれば血色の良い肌感を表現することができる。
クラシッククローム
後述する「クラシックネガ」と共に、フィルムシミュレーションの中でも特に高い人気を誇っている。
抑え気味の彩度に硬めの階調、建物の質感がリアルに再現されるので、ストリートスナップを良い雰囲気に仕上げてくれる。
都市で使用すると楽しくて止まらない、そんな魅力の詰まったシミュレーション。
PRO neg std
スタジオでのライティング下での使用がメインの用途、と言われているが、屋外の強い光の下でも活躍してくれる。
軟調かつ忠実な発色により、ポートレートでは綺麗に肌色の再現がなされる。
後処理でカラー調整をするベースとするのにも適したシミュレーション。
PRO neg. Hi
前述した「PRO neg std」と同じく、「ニュートラル」な発色。
stdよりも硬調な仕上げで、シャドウ部はしっかりと引き締まって再現されるので、メリハリのある写りが期待できる。
ポートレートでは血色を抑えた高品位な肌色を再現することができる。
クラシックネガ
クラシッククロームと共にフィルムシミュレーションの代名詞となっているもの。
レンズ付きフィルム「写ルンです」の中のフィルムを再現したと言われている。
どこか懐かしい、そしてフィルム感溢れる色味が味わえる。
画質完全読本では、「アルバム色」という言葉が使われているが、まさに的を得た素敵な言葉だと思う。
▼レンズ付きフィルム「写ルンです」とX-S10の「クラシックネガ」を比較してみました。
違いを比べてみると面白いです。
ETERNA / シネマ
映画用フィルムをベースとした、低彩度・最軟調な仕上がりが特徴。
広いラチチュードによりシャドウ部は非常に粘り強く、動画撮影に適している。
写真で使用しても、青空が特徴的な色味で写り、独特な表現を楽しめる。
ETERNA ブリーチバイパス
ETERNAに映画撮影で用いられた「銀残し」を適用した画作り。
低彩度だがコントラストが高く、半白黒の世界が再現されている。
明暗差の少ない場面でも、印象的な仕上がりを期待できる。
ACROS
“世界最高の粒状性 ” と称賛されたモノクロフィルム「ACROS」がベース。
従来のモノクロよりもメリハリの強い印象があり、締まりの良い黒が心地よい。
モノクロ(ACROSとの比較)
こちらは従来の「モノクロ」。
PROVIAをベースにモノクロ化したもので、ベーシックな白黒写真を楽しめる。
セピア
昔流行ったノスタルジックな色合い。
色あせた懐かしさを感じる雰囲気を味わうことができる。
まとめ
FUJIFILMのカメラで撮る時の大きな魅力の一つがこの「フィルムシミュレーション」の存在です。
場所や気分に合わせて色々と選択して楽しめます。
写真を長く続けていると、どうしても飽きがくる時期もありますよね。
そんな時、様々な色味を試していると再び写真の面白さを再認識したりします。
ライトルームなどでのレタッチが一般的になった現在ですが、このフィルムシミュレーションなどを使用して、撮影時に写真を完成させるのもまた楽しいものです。
この作例が参考になれば嬉しいです。
ご覧くださりありがとうございました。
▲今回の作例撮りに使用したカメラ「X-S10」
▲標準ズームレンズ XF18-55mmF2.8-4 R OIS
小型軽量のX-S10ボディとマッチしていてオススメ。
▲ピークデザインの伸縮脱着可能ストラップ。
小型カメラと相性が良く使いやすい。
▼FUJIFILM Xマウントのおすすめレンズをまとめています。
レンズ選びの参考にどうぞ。
▼X-S10「クラシックネガ」と、レンズ付きフィルム「写ルンです」の写真を比較してみました。
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