FUJIFILM フジノン GF55F1.7R WR レビュー / GFXの性能をフルに引き出す大口径単焦点レンズ

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本記事では、FUJIFILM Gマウント用の標準単焦点レンズ「GF55F1.7R WR」について紹介します。

本レンズは35mm換算44mmという少し広めの標準単焦点レンズです。

GFレンズの標準単焦点レンズには、もう一本「GF63mmF2.8 R WR」という35mm換算で50mmの焦点距離を有する軽量レンズが存在します。

気軽さを重視するなら小型軽量のGF63mmの方が使い勝手が良いですが、ラージフォーマットの力を最大限発揮した写りを望むのであれば開放F値1.7の本レンズGF55mmをぜひ手に取ってもらいたいです。

ひとつ次元の違う写りを味わうことができることでしょう。

それでは、外観・作例等を通して紹介していきます。


 



GF55F1.7R WR はどんなレンズ?

中判センサーの力を引き出す単焦点レンズ

中判センサーで撮影すると、小型センサーでは気にならない細部にもしっかりと気を使いたくなるものです。

自分自身の心境としても、撮影結果に対する「期待値」が高く設定されてしまうように思います。

本レンズのような大口径単焦点レンズを使用し、中判センサーのポテンシャルをフル活用しているという実感を持つことは撮影に対する意欲向上に資するとも考えられます。

実際、このレンズで撮影した写真には説得力のようなものを感じます。

階調の豊かさ・美しいボケ・空気感、レンズを評するのに様々な言葉が使われますが、どんな言葉よりも実際の写りを手に取って実感してもらいたい、そんな一本です。




主要スペック

対応マウントFUJIFILM GFマウント
焦点距離55mm(35mm換算 44mm)
明るさF1.7
最短撮影距離0.5m
最大撮影倍率0.17倍
手ブレ補正なし
フィルター径φ77mm
最大径φ94.7mm
長さ99.3mm
質量780g

換算44mmってあんまり聞かない焦点距離ね。
実際どうなのかしら?

そうだよね。

35mm、50mm辺りが一般的だもんね。

僕は50mmだと少し狭いと感じることが多いから、

この焦点距離は嬉しいなあ。
40mm辺りだとある程度広く写せるからね。

なるほどね〜。
質量780g、それなりに重いわね。

大口径だから仕方ないのかな。

確かに結構重いレンズだね。

でもね、GFXのグリップの良さとボディーとのバランス

を考慮すると、大きく重すぎるとは言えないかもね。

実際に手にしてみると、意外としっくりくるんだ。


▲フィルター径は77mm

 

外観

フォーカスリングも大きく、適度なトルク感がある
MF撮影も高い精度で行える




フィルター径は77mm





ずしりとした重量サイズ感




GFX100SⅡ につけてみると

存在感がありますね




真横から
GFXにつけてみると良いサイズ感




真上から




GF55F1.7R WR の良いところ

良い点① GFレンズの中でも希少な、開放F値1.7という明るさ

20mm / F1.8 ss1/10 / iso3200

開放F値1.7という明るさで、このような夜の場面でも容易に手持ち撮影を行うことができます。

GFレンズでF1.7を有するのは、本レンズと「GF80mmF1.7 R WR」の二つのみ。

美しいボケ感と暗所撮影能力が大きな長所です。





良い点② 防塵防滴で、急な天候変化にも安心

大きなシステムだけに、製品の耐久性は気になるところです。

大型のレンズは、急な雨や埃などで影響を受ける面積が大きいので、しっかりとシーリングがほどこされていてほしいものです。

防塵防滴機能がしっかりと考慮されていることは高く評価すべきところですね。





GF55F1.7R WR の改善して欲しい点

改善して欲しい点① : DCモーターの駆動音が大きめ

重いレンズを動かす際に使用されることが多い「DCモーター」は、大きなトルクを出せる反面、音も大きくなりがちです。

本レンズも例外ではなく、フォーカスの際にはガゴっと音がします。

GFXで動画を撮影する場面はそう多くはないでしょうけれど、写真撮影でもできれば静かな方がありがたいですね。

とは言っても、静粛性優先カテゴリーのレンズではないでしょうから、あまり気にせず割り切るということも必要かと思います。




作例

静止画作例

44mm | F1.7 | ss1/550 | iso80
開放F1.7で、離れたところからでもこのボケ感




44mm | F8 | ss1/250 | iso80
F8まで絞って遠景を撮影
ライトルームでハイライトを少し下げ、シャドウを少し持ち上げた
ダイナミックレンジの広さで明暗調整も余裕




44mm | F1.7 | ss1/1000 | iso80
開放で少し離れた人にフォーカス
スナップも印象的に仕上がる




44mm | F1.7 | ss1/100 | iso1250
少し暗くなってきた街並み
遠景とそれを眺める二人を開放F1.7で撮影
iso低速限界1/100で被写体ブレを防止




44mm | F1.7 | ss1/100 | iso1600
大口径の明るいレンズなら夜の撮影も余裕




44mm | F1.7 | ss1/100 | iso500
描写の良さを感じる



44mm | F1.7 | ss1/100 | iso320
近距離で撮ると被写体が浮き立つ感じ




あとがき

FUJIFILM Gマウント用の標準単焦点レンズ「GF55F1.7R WR」についてレビューしてきました。

柔らかなボケ味と精細な描写、Gマウント単焦点レンズを検討する際の大本命レンズだと思います。

GFXとこのレンズの組み合わせで撮影してみて感じることですが、ハイライトからシャドウ部までしっかりとデータが残っていることに驚かされます。

そしてその間の階調も実に豊かで、ライトルームでデータを触るのも一層楽しく感じます。

高品質なカメラで撮る際のレンズの重要性を強く感じさせる、そんな一本です。


▼標準域の単焦点レンズではこちらも候補に挙げられます。
より軽量コンパクトなレンズなので、撮影場面・精度に応じての選択になりますね。




それでは今回のレビューはここまでです。

皆さまの参考になれば幸いです。

ご覧くださりありがとうございました。




▼こちらは2024年6月28日発売の「GFX100SⅡ」のレビューです。

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