本記事ではFUJIFILM X-T4を使用して、フィルムシミュレーションの色味を比較する。
「プロビア」と「クラシッククローム」を使用。
比較する写真は以下の2つ。
① フィルムシミュレーションを適用して撮影した、JPEG撮って出しの写真
② RAWで撮影した画像データをLightroom Classicに読み込み、プロファイルで①と同様のフィルムシミュレーションを適用させた写真
▼今回の論点はこちら
Adobe Lightroomのプロファイルはどの程度忠実に、フィルムシミュレーションの色味を再現出来ているのか?
前提:カメラ内現像とLightroom現像では、そもそも色味が違う
大前提としてこの事実がある。
完全には一致しない。
FUJIFILMのデジタルカメラQ&Aによると、「フィルムシミュレーションの画質については、富士フイルムが技術協力を行なっています。」とある。
技術協力を行っているが、一致するとは言っていない。
この検証を通じて何をしたいのか?
① JPEGのみで撮影する
② RAWのみで撮影する
③ JPEG + RAW で撮影する
この3択を整理する手がかりにしたいと考えている。
希望としては、すべて②RAWのみで撮影しておいて、Lightroomでプロファイルを当てて完成させたい。
しかし、色味の再現性に満足出来ない場合、③JPEG + RAWの撮影方法を標準とする必要がある。
例えば、JPEGで処理が難しいデータのみRAWを使用する (明暗差の大きなデータの調整、違うフィルムシミュレーションを適用させたい場合など)
※明暗差が激しいなどの、RAWの必要性を個別に判断して①、②をその場その場で切り替えるやり方は、私には煩雑過ぎるので採用しない。
※FUJIFILMが提供している「X RAW STUDIO」を使用すれば、後からカメラ現像をすることが可能だが、こちらも使用ソフトが増える手間を考え採用しない。
写真比較(PROVIA)
まずはスタンダードなプロビアの比較。
比較1 プロビア 「夕方の青空と光」
比較すると、一枚目撮って出しの方が空の色が少し濃く出ているのが見て取れる。
比較2 プロビア 「逆光シーン 石灯籠と紅葉」
一見わかりにくいが、2枚目プロファイル適用の方が少し紅葉の明度が高く、色味が薄い。
そしてディティールも弱い。
▼拡大してみると
3枚目のように調整してやっと撮って出しに近づくが、どうしても一致させることができない。
やはり、LightroomでRAWデータから撮って出しへもっていくのは難しいようだ。
比較3 クラシッククローム 「夜景と鮮やかな色」
撮って出しの方がコントラストが高い。
このシーンでは大きな違いは感じれられない。
比較4 クラシッククローム
撮って出しの方がコントラストが高く、発色も濃い。
このシーンでは違いが見て取れる。
結論として
クラシッククロームの夜間撮影では、jpeg撮って出しにこだわるほどの差異ではなかったと思われる。
しかし、光のある場面でのPROVIAでは画質自体に明確な違いが見て取れた。
このことから、FUJIFILMらしい発色を優先したいと考え、当面はjpeg+RAW撮影での運用してゆくこととした。
おそらく大半はjpegデータをそのまま採用すると思われる。
撮影後のセレクト・レーティングと同時に、残す必要があるRAWデータを数枚チョイスし、必要の無いRAWはその都度消去という流れになりそうだ。
camera & lens / カメラとレンズ
リンク
▲FUJIFILM X-T4
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▲標準ズームレンズ XF18-55mmF2.8-4 R OIS
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▲ピークデザインの脱着可能ストラップ。
小型カメラと相性がとても良いです。
長さ調整が楽なので、たすき掛け、首下げ、自由自在です。
afterword / あとがき
いかがでしたでしょうか?
ちょっと検証っぽく、「だ」、「である」口調で記載させてもらいました。
今回の内容はこれからFUJIFILMのカメラを使用してゆくにあたって、どうしても整理しておきたい内容でした。
なぜこの内容にこだわるかと言うと、以前クラシックネガjpeg撮って出しでスナップをしていた時に、とても良い瞬間に出会いシャッターを切ることができました。
ところが、撮った後で思いました。
この瞬間は「クラシックネガ」ではなく、標準的な色味で残したかった、、と。
jpeg + RAW で撮影していなかったことを悔やみました。
今回の検証結果を踏まえて、今後はより柔軟な編集に耐えられるような撮影の仕方を心がけてまいります。
今回の検証が少しでも皆様の参考になりましたら嬉しいです。
ご覧くださり、ありがとうございました。
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